越冬状況調査内容
季節によってタンチョウは生息場所・環境を変えます!
タンチョウが冬期にねぐらとしている河川(鶴居村雪裡川・音羽橋から撮影)
北海道に生息しているタンチョウは、春から夏にかけて、湿地(ヨシ原)で巣を造り、ヒナを育てます。ヒナの成長とともに、牧草地や水田など、人目にふれる場所にも餌を求めて現れるようになります。秋になりヒナが飛べるようになると、作物収穫後の畑に集まって餌を採っている様子も見られます。さて、冬になるとタンチョウはどこへ行くのでしょうか?
北海道東部では、給餌場と呼ばれる場所があり、そこではタンチョウのために家畜用飼料のデントコーンを撒いています。餌は給餌場で確保できますが、夜眠るためのねぐらも必要になります。ただし、エネルギーの消費を抑えるためには、餌場とねぐらは近くにあることが理想です。真冬の北海道は夜には気温が氷点下になります。暖房設備の有る室内でというわけにはいきませんから、体温を奪われないように気温より暖かい水(川の中)に脚をつけて寝ていることが多いです。これはキツネなどの外敵から身を守ることにも役立ちます。
当研究所では、UAVも活用して冬期の個体を捜索し、越冬状況およびその環境の調査を行っています。特に、個体数が増加している道央圏には給餌場はありませんので、餌場とねぐら環境の保全が重要になっています。越冬期に道央圏でタンチョウを目撃された際は、日時や場所、確認した羽数等をにご連絡いただけると保全に役立つ情報となります。
UAVを使用してねぐらとして利用可能な環境を調査